台湾の台北國立故宮博物院に行くなら、コレ見て来て!
ある方面からのご要望を受けて
今回は、博物院の数あるお宝の中から、これは! というものを集めてみた。
正倉院展などが好きな人には特にオススメ!
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國立故宮博物院 B1車寄せ |
初めての人にも解りやすく紹介!...の、前に
今回は、
時間の無い人でもサクっと90分ほどで鑑賞可能な「これを見たら、故宮博物院に行ってきた!と威張ってイイかな?」というコンセプトで、私の独断趣向で選んでみた。
けれども、どんな順番で並べようか迷った。
最初は、年代順。
けれど、そういう並び方してないんだよなぁ... と、思い直して組み替え。
できるだけ、1本線で見て回れるよう工夫して並べ替えてみた。
その為には、どういうルートがよいか? ということになるのワケだが。
一番のオススメは、タクシーで向かうと大抵の運ちゃんは地下エントランスの車寄せに横付けしてくれる。暑い日は門から建物まで歩くのは大変だからだ。門から徒歩だと辿り着くまでに2,30分かかるとも言われる。到着前に値切ったり、トラブったりして、門で降ろされたというのはよく聞く話だ。
さて、そんな風で到着したら。B1真ん中鎮座された蒋介石さまを見ながら、両脇の階段を上って、
1Fでチケットを購入(団体チケットはB1)
入場ゲートには 現在何人観覧中か というリアルカウンターがあるので、是非撮影を。
これも何度もする話だが、21世紀に入ってからこの博物院も時代の波に圧され、出陳品の撮影が全面禁止となった。カメラはここで仕舞いましょう。
また、中ではイヤホンを使えば iPhone、iPadなどのデジタル機器を利用可能。
音声ガイドのQRコードを読み取り、利用することができるし、専用のアプリもあるので後ほど紹介する。(もちろん、ネットワーク可能な機材に限る)
案内に促されるまま、3Fまで階段を上って。
301号室からスタートしましょう。
私のお薦め目録
展 示 目 | 簡単ポイント | 展示場所 |
毛公鼎
(西周晩期) | 「もうこうてい」と読む。鼎とは礼器の中でも最重要とされたようだ。「皇帝が持つべき物」という位置づけ。これは形もさることながら、内部に書かれた500文字以上の銘文が有名。 素材は青銅器。
| 3F
301 |
嘉量★☆
(新) | 度量器。一般的に新莽嘉量(しんもうかりょう)と呼ばれる。これで税金(租税)とか量ったのかなー?とも思うが、新時代とはAD8-23とされるので、租庸調確立の北周〜唐らしい。従ってぜんぜん重ならないから、「租税を量ったかも?」とは私の妄想となる。 |
3F
301
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翠玉白菜★
(清) | 肉形石と一番人気を二分する、代表的な作品。
「玉:ギョク」とは翡翠のことを指す。これは現代でも通じる。白菜に昆虫が2匹居るから探してみて欲しい。2014年夏〜秋に日本へもやってくる(こちらは東京国立博物館のみで展示) | 3F
302 |
肉形石☆
(清) | 白菜と人気を二分する、天然の「だたのイシロコ」しかし、豚の角煮にそっくり!
それを国宝にしちゃうんだもんなぁ、不思議な国。 2014年夏〜秋に日本へもやってくる(こちらは九州国立博物館のみで展示) | 3F
302 |
端石雲龍九九硯
(明) | この硯は、裏が素晴らしい! 九十九柱に掘り出された石目がスゴイ! 多分、鏡で裏を見せてくれているハズ。 | どこにあったか忘れましたー
3Fだった気もするが... |
象牙鏤彫提食盒
(清中期) | 繊細な彫刻がスゴイ! が、この細密彫刻が象牙というからこれまたビックリ! パッと見すごさが解らないかもしれないけれど、ポストカードなどで、中から光を当てたものを見て、改めて繊細さに感動。 | 3F
304 |
彫象牙透花人物套球
(清晩期) | 象牙製。球の中に球が....これ全部動くのだ! 彫刻も超繊細。人間技とは思えぬシロモノは一度その目で見て欲しい。
3Dプリンタでも作れないと思う。まず、全部を非破壊で細密データ化出来るなら別だけど。 | 3F
304 |
彫黄楊木搔背羅漢
(清前-中期) | 背中を搔く羅漢の木製彫物。
気持ちよさそうな表情がリアルで和む。 | 3F
304 |
鉤連乳丁紋羊首罍
(商中晚期) | 「罍」日本語では「さかだる/もたい」と読むようだ。
ここでは「らい」と読む。主に酒を入れた器のひとつ。
羊のモチーフで産地が解りそうだが...
ちなみに、青銅酒器には爵、角、斝、觚、觶、壺、[罍]、尊、卣、盉、方彝など合計11種類あり、おそらく器形から来る学術的分類なのだろうが、図解されたものを見たけれど正直私も明確に違いが解っているわけではない。
「へー、いっぱいあるんだな」くらいの認識でOK。
※全部見たい人は関連エントリー「06-1最近購入した図録をまとめてみたら...」に出て来ます。
| 3F
305
307 |
汝窯 蓮花型温碗★☆
(北宋) | 汝(じょ)とは産地名で、「汝窯じょよう」と読む。宮廷御用窯だったそうだ。今の河南省にあったとされるがたしか窯址はまだ発見されていなかったように記憶している。青磁に分類される。繊細で、独特のひび割れ模様「貫入:かんにゅう」が美しい。
現存する汝窯青磁は70点しかない、超貴重品。うち21点が故宮院博物院収蔵。骨董品屋にダマされないようにね〜! | 2F
201
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207 |
定窯 白磁嬰児型枕(北宋) | 定(てい)とは産地名。今の河北省にあった白磁。しかも、とっくに絶えていたこの窯址を発見したのは日本人だそうで1940年代に入ってからの話だ。この北宋時代には、汝、定など合わせ全部で12の場所で陶磁器窯が開いていたという。誰もが一度は聞いたことはある景徳鎮窯もそのひとつ。
さて、この幼児の姿をした白磁の枕は超リアル!繊細な模様も見て欲しい。 夏用の枕かな、ヒンヤリ涼しかったのは間違いない。 土産物売り場でスイングするキーホルダーも売っている。 | 2F
201
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龍泉窯 青磁鳳耳瓶
(南宋) | 今でも続く青磁の窯群。現在では竜泉窯と書くようだ。同じ青磁でも汝窯との違いは見ての通り。この瓶は姿が美しく、取っ手(耳)は鳳凰をかたどっているそうだ。そう見える? | 2F
201
205
207 |
藍地描金粉彩游魚文回転瓶★☆
(清) | 景徳鎮窯。二重になった瓶の胴体の一部に窓をしつらえ、内瓶には金魚が描かれている。しかもその内瓶は回るので、金魚が回遊しているように見える... らしい。触れないけれど。
外瓶、内瓶、違う雰囲気の絵付けがそれぞれ繊細で美しく、安定した政権時代を伺わせる。 | 2F
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207 |
青花穿蓮龍紋天球瓶
(明永楽) | 永楽は皇帝の名前。
この瓶はクリアファイルのモチーフとして土産物でも売っていて、私も持っている。色、形、全てが素晴らしく他に何も要らないほど完璧。
ひょっとしたら 東京国立の出陳目録「No.105 青花龍文大瓶」は、名前が違うが同じ物かもしれない...。年代も15世紀なので符合する。 | F2
201
205
207 |
竹絲纏枝番蓮多宝格円盒
(清) | 仕舞うと円柱。開くと正四角柱となる。棚に飾るところにドールハウスのような楽しさがあるが、中に飾られたものは宝石(玉)なので、 ザ・宝石箱 といったところだろうか。 | 1F
108だった気がする |
紫檀多宝格方匣(珍玩30件収納)★☆
(清乾隆) | 乾隆とは皇帝の名前。今夏、国立博物館に来日するお宝の中には「乾隆帝コレクション」というカテゴリがあるほど、その品目は多い。
この作品は硬い紫檀に細工を施した道具箱。カラクリが素晴らしい。 | 1F
108だった気がする |
注意
☆:
九州国立博物館 特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」
2014年10月7日(火) ~ 2014年11月30日(月)に出陳予定
注意:リンク先がないものは、故宮博物院のページで検索したが収蔵品の全てを説明しているわけではないので、web上の画像を用意できなかった。ごめんなさーい。しかし下のアプリで閲覧できるものだけを選んだので、リンクのないものはアプリからお探してみて欲しい。
アプリで鑑賞環境を更に充実させる
数あるアプリの中でオススメなのは「
故宮常設展」
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アプリ「故宮常設展」 |
アプリ「故宮常設展」のDL先は以下。いずれも日・中・英対応している。
https://itunes.apple.com/jp/app/id579576204
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.jamzoo.npm.insight&hl=ja
もちろん、オタカラはこれだけではない
私のお薦め目録には、書/文献/絵画がないのにお気づきだろうか。
書、絵画は特に好みが分かれるだろうと敢えて外した。
しっかり時間を取れば、1日だって居られる。
チケットは1日有効で再入場も可能。博物院には広くて美しい庭、
レストラン/カフェテリアは合計4箇所4店舗ある。なかでも「
故宮晶華」はリージェントホテルの手がけるレストランで、要予約メニューやレストラン利用の為だけに訪れる人も少なくない。(予約不要の席でアラカルトメニューを食べることも出来る)
好きなようにお楽しみいただきたい。
追記:中国語の漢字って入力しにくくない?
私は以下のような解決法で対処している。
iOS設定項目 《一般》 > 《言語環境》 > 《キーボード》 で
中国語-繁体字(手書き) を追加している。
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iOS《一般》>《言語環境》項目
図では基礎言語をフランス語に設定しているので
こんな風に見える |
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《キーボード》いくつでも追加できる
中国語-繁体字-(手書き)が使用可能項目に |
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結構いい加減でも認識してくれる優れもの |
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(2)台湾旅行 2011 avril