孔子廟を隅々まで知る
孔子廟とは、儒教の総本山、学問に関する信仰を集めていて
日本でいうところの天満宮 菅原道真公が奉られているのに似ている。
中国大陸に多くあり、日本や台湾にもいくつかある。
台北市孔子廟は日本占領下に建てられたそうだ。
また、廟内は部分的に建てられた時代が違うそうで様式や装飾にその特色があるという。
廟(びょう)=霊廟 は、本来 日本人が認識する「寺院」とは少し違うようだ。
いや、そうではなかったという方が正しいか。
先ほどのエントリーで「迷ったら寺へ行く、それがワタシの旅。」的な書き方をしたので誤解がないように、付け加えておく。
廟についての説明はwikiなどで理解していただくのがよろしいだろう。
廟は日本で言う寺とは違う。実際、日本でもパワースポットとして有名になった艋舺龍山寺など、"寺"は別にある。(けれど、あれも後に説明するがちと厄介でいろいろごちゃ混ぜ... (^_^;;)
だが、日本で弘法大師が奉られていればそれは廟なのか...? いや、仏だからやはりそれは廟ではなく、寺だ。
ワタシなりに整理すれば
仏が奉られていれば寺院で
神が奉られていれば神社で
その他、民衆の英雄が奉られているのが廟 とでもいう解釈だろうか。
中華街にお住まいの方はなんとなく受け入れられているかもしれないが、ワタシにはサッパリだ。
掘り下げると更にややこしくなり、収拾がつかなくなってしまうが 廟とは日本人にはちょっと理解し難いものなのかもしれない。
湯島聖堂も名前くらいしか知らなかったけど、孔子を奉った廟なんだ! と、今日ここで初めて知った次第だ。笑
まずは、インフォメーション付近で資料を物色... していると
年の頃はワタシより幾分年上に見える女性が、日本語で話しかけてきた。
「今日はお時間ありますか?」と。
それが、先ほど黄門で見た、孔子大使の外国語ボランティアガイドさんだったのだ。
話はトントン拍子に進んで、孔子廟と隣りの気になっていた保安宮、それからオススメお昼をご一緒してくれることになった。
それには訳があり、
普段は孔子大使として、ここ臺北市孔廟のガイドだけをしているそうだが、この時期(花博開催期間)は、台北近辺のガイドをボランティアでするプログラムに参加していて、この近辺の他のところも案内してもらえるというラッキーな展開になったのだった。
「15時くらいに站に集合で、それまで独り行動なので、伝統的な建物を見て回りたいです〜」と伝えた。
彼女は、関西の某有名大学法学部に4年間留学・卒業後帰国。今は2児の母なのだそうだ。
本当は働きたいが、パートタイムの仕事がなかなかないのと、貿易に関わる仕事がしたいのだそうだ。
そんな訳で、ワタシが細かく質問する日本のちょっとした習慣も会得しているので、台灣ではどうだ とか、解りやすく説明してくれたのだった。
これであなたも、孔子廟通!
さて、ここからは孔子廟や、建物に込められた思想の説明を覚えている限り詳しく。 ここで理解しておくと、他のところの共通点も多いので読んで損はない。...多分
- 孔子様の弟子は全部で72人。それは鳩に化身していて、孔子の講義を聴くと静かになると言われている。
- 鰲(アオ)と呼ばれる想像上の生き物が、三蔵法師の仏典を食べてしまったので、その頭を叩いてお経を唱えさせる。それが木魚。
- 踊る場所は月光の当たるところ。それが月台。
- この建物はギリシャ様式と中国の南様式。(臺鐵車站は北様式でしたね)
- この廟内は部分的に建てられた時代が違うので様式や装飾にその特色がある。
- 伝統的な廟や寺には3種類の焼き物が屋根を中心とした建物飾りとして使われている。
・泥土
・交趾(こうち)=通常焼き物は1500度で焼かれるが、これは800度と低い温度で焼かれていて、釉薬をつけて焼く。日本でいう清水焼などがそれにあたるようだ。・剪黏(ジェンネン)=彩色した茶碗焼いた後、それを砕いてモザイク状に→人形、花、動物などを再形成(立体モザイク)
- 中央の門からは皇帝様しか通れない。「皇帝の道」と呼ぶ。
- 陰陽思想では偶数が陰で奇数は陽。「陰と陽」で「安定」。
- 龍はその建物や持ち主の格が解る。
- 「学問に王道なし」
- 台灣では少し前まで(多分戦前の意)1つの建物を半分に別けて、2人の大工に作らせることがしばしばあった。この孔子廟でも所々、技能に違いが表れていたり、装飾自体を変えたりしている。儀門の天井装飾に使われた桃には若い大工には若い桃を、年長の大工には熟れた桃を彫刻させている。
- 池の役割
- 龍(もちろん、想像上の動物)を説明できますか?
・暑さを和らげる
・火事から建物を守る・風水では気は触ることができないが、水は気を集めると考えられている
「大成殿」庇のない前につきだした舞台。それが月台。本当に演舞の舞台だったそう 屋根には水しぶきを浴びた龍。雨を呼び、建物を火から守ると信じられている 屋根に乗った龍は「チャシホコみたいなものですよ〜」との説明。 柱が若干エンタシス。そして、回廊。これがギリシャ様式ということか? |
これが鰲(アオ) |
の巻物を形にしたモチーフ |
「月台」に続く龍のモチーフ。これはどこでも同じ この上を歩けるのは皇帝だけ。 正確には皇帝は輿に乗っているので龍を踏むのは担ぎ手 月台でおじいさんが連れてきた子どもが遊んでいる |
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| スターフルーツとバナナの交趾焼もあった
【メモしたのに忘れてしまったこと】
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「儀門」 右の彼女が孔子大使。 |
立派なガジュマルの樹 北半球では亜熱帯以南にしか生息していないという |
【最後に】
残念ながら画像はないのだが、
この後ろ(庭に面した側)に麒麟の絵が描かれている。
麒麟は龍の子だと考えられ(ちょっと覚えに自信がない)、麒麟の夢をみた後、
孔子様のお母様は孔子様を身ごもったと伝えられている為、その絵が描か
れているのだという。
また、この壁が南の大通りに面していることは前エントリーで示した通り。
だが、そこに入口はない。
ワタシが見当を付けて「大抵、南に大きな入口がある」と睨むのは
私たちの習慣がそうさせる。
だから「学問に王道はない」と、敢えてあるだろうと思う場所に入口が
なく、黌(こう)門のように小さく、そして思いがけないところに有り、
苦労して辿り着く。といった意味があるのだ。
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臺北市孔廟には、世界中の学生がお参りに来るようだ。 絵馬の文字はワールドワイドだった。 謝謝、臺灣。 ※絵馬のイラストがウサギなのは、干支が卯年だからじゃないかと。 |
【関連ページ】
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